合気道海外普及裏話(その1) |
国によっては、合気道も含めて日本武道に大変関心が高く、武道人口が日本より多い国が沢山あります。実際、海外に指導に行き講習会や演武会での人の集まり方や合気道の知名度などを比べると、日本より上だなと実感する事がよくあります。
合気道小林道場では会員の皆様から協力して頂いている「むすび基金」などの奨学金制度もあり、毎年多くの住み込み希望者を海外から受け入れています。また、私も含めて指導員を海外20カ国以上に派遣し交流しています。
このように、海外と交流していると日本ではちょっと考えられない様な、色々なエピソードが沢山あります。これからは、少しずつですが裏話としてそれらの話を紹介したいと思います。
今回は韓国の話です。韓国にはオリンピックにも参加しているテッコンドウという武道があります。そして日本の合気柔術を学んだ或る韓国人が、テッコンドウと組み合わせてハップキドウという投げや抑えのある武道を考案しました。発音が違うのでハングル語で書くと問題はないのですが、漢字で書くと問題です、合気道(ハップキドー)と書くのです。我々が学んでいる合気道と字が全く同じです。韓国の日本の合気道は混乱を避けるため漢字ではなくAIKIDOと英文で書いています。
韓国の尹先生の道場は今まで大韓合気道連盟で社団法人として登録していましたが、最近ハップキドウの団体が全く同じ名前で登録を申請してきたそうです。尹先生は混乱するので認めないように抗議したそうですが、ハングルで書くとアイキドウとハップキドウで発音が別なので認められた様です。お役所の人は何でそんなことにこだわるのか理解できないようです。
たかが発音の問題ですが、尹先生は韓国に日本のアイキドウを根付かせる為に大変な努力をしてきました。その事を考えると残念なことです。結局、尹先生は団体名を変更して混乱が起きないようにしました。
尹先生の努力により日本の合気道はソウルを中心に韓国全土に広がりつつあります。そして韓国警察にも取り入れられ、逮捕術の技にも役だっています。
5月27日の全日本合気道演武会に出場の為、尹先生始め10名以上の会員が小平道場に一週間近く住み込みます。是非合気道小林道場直轄、傘下の会員は一人でも多く交流稽古をお願いします。