第47回全日本合気道演武大会が5月23日(土)日本武道館で開催されます。合気道小林道場は今年も5面の演武会場を割り当てられました。参加希望者は武道館正面玄関2時40分に集合して合気道小林道場指導部員の指示に従って下さい。

太平洋戦争の敗戦により「武道禁止令」が出され、伝統ある日本の武道は存亡の危機に陥りました。しかし私が習った昭和24年頃には、麹町警察署の柔道教室や講道館では盛んに柔道を稽古していましたので、何が禁止令かと思った事があります。しかし中学や高校では「柔道や剣道」のことを「格技」という表現を使い、剣道の事を「しない競技」と言っていたことを覚えています。日本の伝統有る武道を守りたいと思う武道家達が連合国総司令部(GHQ)の目をごまかす苦渋の選択だったと私は考えています。中学、高校の学習指導要綱から「格技」が「武道」に変更されたのは以外に最近で、1989年(平成元年)からだと知っている人は殆どいないと思います。
1959年(昭和34年)のIOCの会議で、第18回オリンピック大会が東京で開催する事が決まりました。そして国技「柔道」がオリンピックの正式種目となりました。これが切っ掛けとなり日本武道復興の気運が高まりました。この気運を結集しオリンピックの「柔道大会会場」使用という名目を大前提にかがげ、皇居の北の丸公園に突貫工事で日本武道館が1964年(昭和39年)10月に完成しました。オリンピックの柔道無差別級では神永選手がオランダのヘーシング選手に敗れ残念な思いをいました。しかし日本武道館本来の目的は日本武道の中心として武道振興を図る事にあり、下記の目標を定めました。
1、武道精神をもって国民精神の基調とする。
2、国民、とくに青少年の間に武道を普及奨励して、健全な青少年の育成を図る。
3,柔道、剣道などの武道を学校必須の正課とする。
来年から中学で武道が学校の正課として取り入れられる様になりましたので日本武道館大きな目標の一つ学校である、武道教育必須を達成されたことになります。

日本武道館が出来て10年後には武道人口が飛躍的に増加しました。そこで日本武道館が推進役になり「柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道」の9団体が大同団結して1977年春に「日本武道協議会」が誕生しました。各武道の奨励の為に1979年からは毎年1月に「武道振興大会」(鏡開き)を開催し、各武道の交流を図る様になりました。さらに1981年からは武道功労者、武道優良団体の表彰を行っています。
非常に名誉なことですが合気道小林道場は1987年1月15日に個人の道場として初めて合気道部門として「優良団体」の表彰を受けました。また2005年1月15日には私が数多くの優秀な師範を育成し、合気道の普及・発展に功績があった事を認められ「武道功労賞」を授与されました。本当に名誉なことと心より感謝しています。

今回の全日本合気道演武会に参加し日本武道館に行かれた方は正面入り口左側の所に年度別武道功労者の中に私の名前があります。是非見て下さい。