2010年 09月 23日
大韓合気道會講習会、審査会 パート1 |
今年の夏は忙しかったです。8月のお盆の時期に不幸があり、日帰りで岩手県一関に行きました。2日後にはカナダ・カルガリー合気会の30周年記念講習会と祝賀会に参加して無事大役をはたしました。帰国して時差ぼけが治る間もなく北海道の白滝村を訪問し、発寒道場稽古しました。東京に帰って来て二日後には成田で一泊し9月3日~7日まで4泊5日で韓国の首都ソウルへ行き、大韓合気道會の講習会と審査会に立ち会いました。
小平道場2階の自宅は猛暑で大変でしたが、女神様の雰囲気は超低気圧です。仕方がありません、今月74才です。「年を考えなさい」と、逆な立場なら私でも怒るでしょう。仕事、仕事とつぶやきながら逃げるようにインチョン空港に到着しました。出迎えのユン師範、奥さんのミエさん、警察官のソン・ジュハン指導員が出迎えてくれました。ユン師範の奥さんは「ソウルは3日間、台風で強い風と雨でした。ソウル市では各所に被害も出ています。飛行機が飛ばなくて小林先生が来られないのではと心配していました。先生が来られたら晴れました。」と笑顔で出迎えしてくれました。日本からの参加者は私、東大和市合気会の沢田朗道場長そして笠原祐二指導部員で今回は僅か3名です。
宿泊したホテルはソウルの中心街にあり日本で言えば永田町の様な所です。国会議事堂があり、最近完成した「セブンスター・ホテル」という名のビジネスホテルです。歩いて1分ぐらいの所に韓国与党のハンナラ党本部が有り、警察官が大勢警戒していますので治安は最高です。昼は漢江の岸辺の食堂で鰻料理、夜は定番の焼き肉で歓待されました。ホテルに9時頃帰りましたが飲み足らないというので付近を詮索、アメリカンスタイルのビールバーを見つけ明日からの演武会、講習会の活力を補充の為にと言う様な理由を付け飲みました。
写真:審査の様子
土曜日9月4日は午後1時半から審査で、終了後演武大会が行われました。場所はソウル市内にあるYMCAの道場で広さは150畳、そこに150名参加です。韓国での合気道の広がりが窺われます。審査会は年1回ですので皆真剣です。受験者は3段3名、2段10名、初段20名全員男性でした。受験者の年齢を見ますと20代後半から40才ぐらいまでです。全員働き盛りです。韓国では男子は徴兵制度がありますので20才になると兵隊に招集されます。軍隊で鍛えられていますので体格も良く、しっかりした捌きをしていました。
私の審査会立ち合いは3年振りなので、受験生も相当稽古を積んできたと思えます。受験者の胸には番号が付いていますので書類の名前と演武者を確認しやすく成っています。大韓合気會の指導部員が合気道小林道場の審査規定と同じ技を出題するのですが、韓国語と日本語の技名を同時に言ってくれますので、私達にも解りやすく審査会の形式もかなり考えて行っているのがうかがえます。
なにせ150畳に150名が参加、審査のスペースも限られてしまいます。体術は同一方向に投げ、杖・剣はどうしても間合いが近くなり、課題を残しました。それでも私は海外の各国で審査員として立ち合っていますが、今回の大韓合気會の各段の審査受験者のレベルは他の国と比べても遜色なく、本当に喜ばしい事です。勿論全員合格でした。しかし女子受験者が無かったのは残念です。女性の合気道人口を増やすのが大韓合気道會の最大の課題です。
演武会は道場ごとに2~3分くらいの演武です。始めは警察のクラブで一教運動、四方運動、舟漕ぎ運動を警察官らしく号令を掛け元気よく始まりました。各地方、道場の特色が出ていて時間の経つのを忘れさせます。女性の参加者は8名でした。ユン先生、奥さん、そして7月に軍隊を除隊した2人の息子さんの家族演武は元気よく投げる奥さん、息を切らしながら受けを取るユン師範に皆さん大喜びで盛んな拍手が起こりました。
3年振りでユン師範の息子さんに会いましたが、軍隊で鍛えられ身体が本当にたくましく成っていました。ユン師範、奥さんは長男に道場を継いでもらいたいと思っています。韓国の大学を終了したら千葉の国際武道大学に入学させたいと話していました。しかし合気道の専門家になる意志を示さないので悩んでいます。
日本組の我々3人は笠原祐二指導員が190㎝と背の高さを利用した大きな演武、東大和合気道会沢田朗道場長は短刀取りを素早い動きと基本通りの力強い動きで韓国の人達を引き付け、感激させていました。韓国では年齢を数え年でいいます。76才の人が演武する事は韓国武道界では考えられないそうです。私はこの解説だけで盛大な拍手を頂きました。
自分では若い、若いと思っていますが回りから段々年寄り扱いにされます。この言葉に甘えないようにますます元気でいなければと強く思いました。演武会後の祝賀会は地下1階の大きな鍋料理の食べ放題、飲み放題の店です。150名がそのまま全員今回の講習会の為の作ったTシャツを着て参加してくれて壮観でした。
写真:私(左)と尹先生がモデルです。
韓国も食べ放題、飲み放題の時間は2時間と決まっています。先生、後3分待って下さいと言われて19時半ジャストに宴会が始まりました。ユン師範の奥さんが元気よく仕切るので、今回の3段昇段者はビール、焼酎を混ぜた酒をコップに3杯、2段は2杯、初段は1杯と私の酌で強制的に飲まされていました。並んだ焼酎の瓶を見て下さい。料理の数も多く大いに盛り上がりました。笠原指導員も付き合いよく飲み、日本男子ここに有りと演武会以上に宴会を盛り上げていました。笠原の名前は韓国合気道會全員に覚えられたと思います。
翌日は講習会です。午前10時から11時半の稽古。昼食後1時~3時半の稽古、そして4時~5時半の計3回行われました。第1回目と3回目は私、2回目は沢田7段が指導しました。道場は蒸し風呂状態でしたが、地方からも大勢参加し、みな真剣に稽古していました。沢田師範は海外で指導するのが今回初めてでしたが、審査で見た欠点を指摘しながらの指導は非常に好評でした。是非次回も指導宜しくお願いします。
私は基本技ですが少し違った視点から教えました。参加しているレベルがまちまちなので、全員の興味を引くように稽古を指導しました。この暑さで一時間半の稽古3回はさすがに全員疲れ切っていました。しかし、自分の知らない事に対しては貪欲に吸収しようと目を輝かせますので、また来年が楽しみです。
パート2へつづく

宿泊したホテルはソウルの中心街にあり日本で言えば永田町の様な所です。国会議事堂があり、最近完成した「セブンスター・ホテル」という名のビジネスホテルです。歩いて1分ぐらいの所に韓国与党のハンナラ党本部が有り、警察官が大勢警戒していますので治安は最高です。昼は漢江の岸辺の食堂で鰻料理、夜は定番の焼き肉で歓待されました。ホテルに9時頃帰りましたが飲み足らないというので付近を詮索、アメリカンスタイルのビールバーを見つけ明日からの演武会、講習会の活力を補充の為にと言う様な理由を付け飲みました。

土曜日9月4日は午後1時半から審査で、終了後演武大会が行われました。場所はソウル市内にあるYMCAの道場で広さは150畳、そこに150名参加です。韓国での合気道の広がりが窺われます。審査会は年1回ですので皆真剣です。受験者は3段3名、2段10名、初段20名全員男性でした。受験者の年齢を見ますと20代後半から40才ぐらいまでです。全員働き盛りです。韓国では男子は徴兵制度がありますので20才になると兵隊に招集されます。軍隊で鍛えられていますので体格も良く、しっかりした捌きをしていました。

なにせ150畳に150名が参加、審査のスペースも限られてしまいます。体術は同一方向に投げ、杖・剣はどうしても間合いが近くなり、課題を残しました。それでも私は海外の各国で審査員として立ち合っていますが、今回の大韓合気會の各段の審査受験者のレベルは他の国と比べても遜色なく、本当に喜ばしい事です。勿論全員合格でした。しかし女子受験者が無かったのは残念です。女性の合気道人口を増やすのが大韓合気道會の最大の課題です。
演武会は道場ごとに2~3分くらいの演武です。始めは警察のクラブで一教運動、四方運動、舟漕ぎ運動を警察官らしく号令を掛け元気よく始まりました。各地方、道場の特色が出ていて時間の経つのを忘れさせます。女性の参加者は8名でした。ユン先生、奥さん、そして7月に軍隊を除隊した2人の息子さんの家族演武は元気よく投げる奥さん、息を切らしながら受けを取るユン師範に皆さん大喜びで盛んな拍手が起こりました。
3年振りでユン師範の息子さんに会いましたが、軍隊で鍛えられ身体が本当にたくましく成っていました。ユン師範、奥さんは長男に道場を継いでもらいたいと思っています。韓国の大学を終了したら千葉の国際武道大学に入学させたいと話していました。しかし合気道の専門家になる意志を示さないので悩んでいます。
日本組の我々3人は笠原祐二指導員が190㎝と背の高さを利用した大きな演武、東大和合気道会沢田朗道場長は短刀取りを素早い動きと基本通りの力強い動きで韓国の人達を引き付け、感激させていました。韓国では年齢を数え年でいいます。76才の人が演武する事は韓国武道界では考えられないそうです。私はこの解説だけで盛大な拍手を頂きました。
自分では若い、若いと思っていますが回りから段々年寄り扱いにされます。この言葉に甘えないようにますます元気でいなければと強く思いました。演武会後の祝賀会は地下1階の大きな鍋料理の食べ放題、飲み放題の店です。150名がそのまま全員今回の講習会の為の作ったTシャツを着て参加してくれて壮観でした。

韓国も食べ放題、飲み放題の時間は2時間と決まっています。先生、後3分待って下さいと言われて19時半ジャストに宴会が始まりました。ユン師範の奥さんが元気よく仕切るので、今回の3段昇段者はビール、焼酎を混ぜた酒をコップに3杯、2段は2杯、初段は1杯と私の酌で強制的に飲まされていました。並んだ焼酎の瓶を見て下さい。料理の数も多く大いに盛り上がりました。笠原指導員も付き合いよく飲み、日本男子ここに有りと演武会以上に宴会を盛り上げていました。笠原の名前は韓国合気道會全員に覚えられたと思います。
翌日は講習会です。午前10時から11時半の稽古。昼食後1時~3時半の稽古、そして4時~5時半の計3回行われました。第1回目と3回目は私、2回目は沢田7段が指導しました。道場は蒸し風呂状態でしたが、地方からも大勢参加し、みな真剣に稽古していました。沢田師範は海外で指導するのが今回初めてでしたが、審査で見た欠点を指摘しながらの指導は非常に好評でした。是非次回も指導宜しくお願いします。
私は基本技ですが少し違った視点から教えました。参加しているレベルがまちまちなので、全員の興味を引くように稽古を指導しました。この暑さで一時間半の稽古3回はさすがに全員疲れ切っていました。しかし、自分の知らない事に対しては貪欲に吸収しようと目を輝かせますので、また来年が楽しみです。
パート2へつづく
by shihan_aikido
| 2010-09-23 10:51