たこ焼きボランティア募金 |
小平道場所属の琵琶俊二1級は車で移動する「たこ焼き屋」さんです。普段は量販店やパチンコ屋などの駐車場などで開店しています。道場等の新年会や親睦会で美味しい「たこ焼き」を食べさせてくれるので皆さんご存知の人も多いと思います。今度の7月は初段を受験すると小平、所沢の朝稽古に頑張って稽古にきていました。
東日本地震災害が起こった後、「暫く稽古を休ませて頂きます。」と電話が有りました。京都出身の彼ですから、避難して関西の実家に帰ったかなと思っていました。琵琶氏が4月末に小平道場の朝稽古に戻って来て話を聞くと、3月26日~4月16日まで三週間石巻に震災ボランテアで行ってきたそうです。彼が言うには「先生酷いものです。私は避難所ではなく、多少損害を受けたが住める家の人達の世話をしてきました。大きな避難所は物資、食糧の援助は有りますが個人住宅に住んでいる人達には一切有りません。一軒、一軒壊れた住宅を回りました。大体お年寄りですが人が住んでいます。必要な物を聞き配達して来ました。大きな避難所にはボランテアを断るぐらい集まるのですが、私が行った所には誰も来ません。泣いて喜ばれました。」と話していました。
また、人間のいやな面も多く見たそうです。自分だけ良ければという気持ちになっている人が結構多いそうです。食料の配給を受け取るときに、一家5人が家族別々に並び、それぞれが5人分の食料を確保したり、被災していないのに避難所の配給をもらってかえったり、とかあるそうです。
そして、「たこ焼き募金」のポスターを出し「次回は「たこ焼き」を食べさせるために行きます。道場に掲示して募金してよいですか?」聞きました。被災者達は彼が「たこ焼き屋」だと知ると、「是非「たこ焼き」を食べたい。」と、言ったそうです。そして、次回は「たこ焼き屋」でボランティアに行くことに決心したそうです。私はその場で多少寄付し道場に掲示を許可しました。
私は彼が3週間も仕事を休んで被災者の為になぜ行く気持ちに成ったかを聞きました。琵琶さんの生まれは奈良、育ちは京都、大学は天理大学国際文化部で、初めての外国旅行はインドの一人旅。その後、バックパッカーとしてアメリカ、ニュージランド、タイそしてキューバと放浪の旅をして、スノボーにはまりながら楽しんだそうです。そして、自分の好きな「お好み焼き、たこ焼き」に興味を持ちました。店でバイトをしながら修業し一人で「たこ焼き」の商売ができるまでに腕をあげました。たこ焼きのアルバイト中に今度は国内の放浪です。四国八十八か所のお遍路巡りをした時にその土地、土地の人々に無償でやさしい接待を受け、心を打たれたそうです。私も知りませんでしたが四国の巡礼の土地には「お接待」という習慣が有り、困っている人をもてなし助けるそうです。彼が野宿していると何時の間にか朝食が置いて有ったりしました。地元の人達が食事などをてらいなく提供し助けてくれたと彼は云っていました。いつかお遍路で頂いた「人の心」を、自分もどこかでお返ししたいと思いながら関西風「たこ焼き屋」をするため上京しました。たまたま住んだところが小平市です。以前から興味が有った合気道をしたくて小平道場に入門し稽古を始めました。
私は一目見て彼が一風変わったキャラだと見抜きました。彼は軽トラを買い、資材を集めて自分で車を改造し「たこ焼き屋」を始めると話しました。私は琵琶さんに大工道具を貸したりして、トラックの改造に協力しました。又池袋の量販店の駐車場で開業した時、景気づけに板橋道場の会員を連れて食べに行き激励し応援しました。
彼の努力で段々「たこ焼き屋」も軌道に乗り、合気道小林道場の行事たこ焼きを提供してもらっています。また会員の紹介で、人通りの多い場所を提供したり、お祭りへの出店を斡旋したりなど協力してきました。
以上の様な理由で「たこ焼きボランテア募金」の協力を会員の皆様にお願いしました。集まった募金総額は207,000円です。高速道路1,000円最後の日である6月17日夜中に小平を出発して、10日の予定で石巻の被災者に「たこ焼き」を提供してくるそうです。事故の無い様頑張って来て欲しいと思います。
琵琶さんはこの活動を後日ブログで報告してくれる予定です。楽しみにして下さい。
皆さまのご協力、心より感謝いたします。