2012年 07月 28日
チュニジア支部指導の旅 |

チュニジアに7月2日〜12日まで行ってきました。参加者は私、東村山道場の山本さん、廣本さん、上板橋道場の平下さん、それに交渉係兼通訳としてフランス語が堪能な山脇師範の男性2名・女性3名の計5名です。女性会員の強い要望によりパリで三日間観光兼時差ボケ解消日程が組まれました。
私一人ルフトハンザ航空に乗り、フランクフルト経由でパリに7月2日定刻の15時に到着しました。パリではモロッコのカサブランカでの講習会指導を終えて、パリ経由で帰国途中の弘明道場長に出迎えてもらいました。予定では山脇先生以下女性3名はエアーフランスの直行便で同時刻に空港に到着予定でした。しかし機材トラブルで成田の出発が10時間遅れとなり、翌朝パリ着との連絡が入りました。
私と弘明道場長はタクシーでパリ中心街のホテルに行き、夕食の為パリの街を少し散歩しました。親子二人だけで外国の街を歩くのは二十年振りでしょうか?ちょっと感無量になりました。

翌朝8時にホテルの食堂に居ると早朝到着した山脇先生が疲れ切った顔で入ってきました。私は「午前中ユックリ休んで午後から観光に行きましょう」と話していると、女性達はリュックを背負って、直ぐ観光に行く臨戦態勢で食堂に入って来ました。「おばさんパワー恐そるべし」です。何とか説得して10時出発にしてもらいました。
弘明道場長の案内でパリ中心街を散策し、15時から2時間の市内観光バスに乗りました。皆が驚いたのは弘明道場長がパリ市内に非常に詳しい事でした。ヨーロッパ大陸各国を指導している時にパリで適当に休暇を入れ、散策している事を私も初めて知りました。翌日弘明道場長は日本に帰国しました。私達は女性方の強い要望でモネ作品があるおランジェリー美術館に行きました。その後も歩いてパリ市内を観光し、一日で2万歩きました。おばさん方の元気さは頭が下がります。稽古の時は喘息だなどと言っている人がパリ散策の時は非常に元気ですので、その気力恐るべしです。

名残尽きないパリを後にして7月5日にチュニジアに到着しました。パリからは2時間半のフライトです。空港にはアジス氏、アエフ女史等小林道場に住み込んだ人達が出迎えてくれました。ホテルはジャスミン革命の時に民衆が大勢集まった中心街に有る「El Hana International Tunis」でした。夕食はアジス氏宅に呼ばれて、奥さん、お姉さん、お母さんの作ったチュニジア料理です。美味しかったです。ビールが有れば天国ですが、イスラム圏ですのでコーラで乾杯です。
翌日は朝10時からアジス氏の道場で審査を行いました。初段11名、二段6名の受験者です。何せ気温40度を超す中の審査です。演武する方も審査員も見る人達も汗だくでした。約1時間半の審査で全員合格しました。

金曜日の夜からいよいよ講習会です。チェニスで一番大きなスポーツセンターで行われました。土曜日は午前と午後1回づつ、日曜日は午前中1回の計5回の稽古です。参加者は毎回150名前後、延べで250名でした。稽古は予定時間通り始めますが、チュニジア時間なのか最初人数は半分ぐらいで準備体操中にばらばらと参加者が増えて行きます。チュニジア各地の道場のみならず、アルジェリア、リビア、フランス、更にドバイの小林道場からも参加者が来ていました。「ドバイには先生いつ来てくれるのか?」と何回も声を掛けられました。
隣国のアルジェリアが丁度独立50周年の祝賀会、リビアが総選挙で、両国の合気道家が多数参加できず残念がっていました。此の事が無ければ400名以上は参加していただろうとの事でした。
私の指導法は世界中どこでも同じです。技の細かい解説よりも自分が受け身を取りながらの指導です。どうしても皆が理解でいない事や特別な注意事項は山脇先生にフランス語で通訳してもらいました。片手両手取り入り身投げのバリエーションを1~5番まで番号を付けて教えました。あまりこの様な指導は受けたことが無いのか、3番が分からない、5番はどのような捌きかの質問が殺到していました。
回転の体捌きを通常一回転ですが連続して5~6回行わせると結構直線に行けず皆大騒ぎでやっていました。ダンスの先生と思われる有段者が「この捌きはチュニジアのダンスの動きの参考になるので、明日の稽古でもう一回指導して下さい。ビデオに撮るから」と山脇先生の通訳で言ってきました。

アジス氏が困った顔をしていましたので近づいてくと「先生、この人は合気道では白帯を締めていますが空手5段の指導者です。力が強く思うように動けません。どうしたらこの技出来ますか?」と質問してきました。後両手取りの技です。私が「両手を腰に付けて腰を動かせば簡単に動くよ」と持たせて技を行うと二人とも感心した顔で納得していました。膝行での回転や私が腰投げの受け身を取ると皆さん盛大な拍手をしてくれました。
一時間もすると稽古衣はバケツで水をかぶった様に汗びっしょりです。体育館内の温度は40度をこしています。私も水を飲みながら技を行う状態です。一時間もすると現地の人達も動きが鈍くなり、口の動きが活発になります。体術の限界です。杖・木刀を持ってと言うと皆ほっとした様な表情になります。
剣杖を持っていない人もいて、何名かは座って見学となりました。剣・杖の稽古は皆大好きな様子でした。この稽古が終わった時に小林道場から参加した女性3名は、アジス氏が講習会費を受け取ら無い事や、食事をごちそうしてくれたことに感謝し、寄付金を集め講習会用の剣・杖を買う様にとアジス氏に寄付金を渡していました。
日曜日の稽古が終わり、私は演武をお願いされました。指導者のアジス氏でも2段です。私は平下参段に私の前に演武してもらい、現地の女性達に刺激を与える事を咄嗟に思いつきました。突然の指名でしたが、住み込み経験の有るアエフ初段を相手に立派な演武をして拍手喝采でした。
私はアジス氏名誉の為に彼だけを受に使いました。彼もこれだけの講習会を企画運営して相当疲れていたと思いますが息も切らさず立派に受けを取ってくれました。此の事だけでも合気道小林道場チュニジアの指導者としての資格充分です。講習会で私の最後の礼が終わると盛大な拍手と一斉に畳を叩いて賞賛してくれました。他には無い歓迎の仕方でした。

その後記念品の贈呈式に成り、私達全員にたくさんのお土産を頂きました。参加した各地の道場の指導者にも記念品が渡されました。その後に記念写真撮影です。皆写真好きで少しでも時間が有ると私と写真撮影を求めてきます。これも合気道発展の為と割り切り汗びっしょりですが気が済むまで撮影に応じました。
稽古後は2泊3日の観光旅行です。観光の様子は参加した女性方の感想を読んで下さ
by shihan_aikido
| 2012-07-28 18:00