台北市青年盃合気道演武大会 |
今回の合気道小林道場関係の参加者は
1 合気道小林道場 総師範 8段 小林保雄
2 合気道高城道場 道場長 6段 高城寛子
3 東大和市合気道会 会長 6段 吉川五郎
4 会津合気会 道場長 6段 沖 康夫
5 合気道高城道場 3段 伊徒 敬
6 同上 初段 高城里沙
7 同上 3級 松平和子
8 会津合気会 2級 沖 しらね
9 小平道場 2段 岸田宏喜
昭和47年(1972年)に当時の田中角栄首相が日本と中華人民共和国(大陸)との国交が回復に調印しました。その為に中華民国(台湾)は日本に大使館がなくなり台湾には渡航が難しく成っていました。日中国交前には台湾の合気道は大阪の道場の先生が柔道家、李清南師範に指導していて中華民国合気道協会という組織が有りました。しかし、大陸との国交が回復で日本から合気道の指導者は誰も行かなくなりました。

私が小平道場に稽古に来ていた台湾人、江川氏と共に台北市を訪れたのは昭和51年(1976年)5月13日でした。当時の台北市は発展途上国でした。日本で云えば昭和30年で町中は雑然としていて郊外に行くと、水牛が田を耕していました。合気道も専門の道場が無く、写真の様に材木置場のトラックが入る場所に畳を引き稽古している状態でした。それでも30名~50名の人が稽古していました。
3年後再び台北を訪れました。中華民国合気道協会もビルの3階に50畳の立派な道場で稽古していました。合気道好きな富裕層の人達がお金を出し合い道場を完成させたそうです。この時の稽古で道場建設に協力した呉金龍氏、陳必卿氏と知り合い私の指導を気に入ってくれました。毎年指導に来るように要請されました。そして呉金龍氏、陳必卿氏は龍山区合気道委員会を発足させ合気道普及に乗り出しました。
龍山区合気道委員会は呉金龍氏、陳必卿氏の努力で合気道の輪が急速に広がって行きました。当時中学生でした弘明道場長を息子の様に可愛がってくれ、春休み、夏休みに航空券を送ってくれて、呉金龍氏の自宅に招いてくれました。その為中国語に興味を持ち弘明道場長が交換留学生で台湾の東呉大学に留学していた時には、小使い迄もらっていたそうです。結婚の時には仲人までして頂きました。小林家にとつても恩人です。小林道場との交流も進みお互いに行き来しました。そして小林道場と龍山区合気道委員会は平成2年(1990年)3月21日に姉妹道場を結びました。

私が指導している龍山区合気道委員会グループは和気あいあいと稽古し、会員や支部が増えていきました。中華民国合気道協会の道場建設に協力した役員の人達が、その様子を見て協会を離脱して次々と龍山区合気道委員会グループに加ってきました。その中には台湾での1番、2番の財閥の関係者や産婦人科医張漢氏などがおられました。
日本の合気道本部道場は早い時期に中華民国合気道協会を合気道本部道場公認団体とし合気道国際連盟に加盟承認していました。しかし合気道としての発展は一つの専門道場のみで団体としての発展は止まったままでした。それに反して龍山区合気道委員会グループは加盟団体が増え続け、稽古人も増加しました。団体数増加に伴い中華民国合気道推廣訓練協進会と名称をかえました。

私と中華民国合気道推廣訓練協進会の役員は本部道場に対して中華民国合気道協会を本部承認団体として申請を何度もしましたが本部道場はかたくなに拒みました。しかたなく中華民国合気道推廣訓練協進会は協進会として昇段制度を制定そして段を発行する様にしました。日本の本部道場の段を申請したい人は合気道小林道場を通して国際段として申請する制度をつくりました。1990年 に道主植芝吉祥丸道主と合気道小林道場80名で台湾を訪問稽古、演武会そして植芝吉祥丸道主の70歳のお祝いを盛大に行いました。それでも合気道本部道場は中華民国合気道推廣訓練協進会を承認団体としませんでした。
毎年台北市で開かれる台北市青年盃合気道演武大会の参加団体は増え続け50団体までなり、1000名の参加になりました。私はこの40年近く一度も欠かす事なく出席させて頂いています。10年前ぐらいから演武会終了後私の講習会が約1時間開催される様になりました。講習会の時に私は技の参加者に希望を聞き講習会を行っています。

今年も演武会後の祝賀会は100名以上の参加が有り乾杯で始まり、カラオケは日本の演歌を皆さん歌います。ダンスそして乾杯、乾杯で交流が深まりました。宴会の役員の挨拶で中華民国合気道推廣訓練協進会が日本の本部道場の公認団体になり、直接段の申請ができる様に成ったと話しました。私は初耳でした。本部道場と協進会役員の話で決まったようです。私はこの40年間何十回となく協進会の承認を本部道場にお願いしました。今回の中華民国合気道推廣訓練協進会が本部道場に承認された事は私にとって本当に喜ばしい事でした。心から祝福したします。
しかし本部道場として合気道小林道場の台湾合気道の発展に対する経緯と立場を知らない筈がありません。本部道場の関係者は小林道場に電話一本でも事前に協進会を承認する事を連絡あればと私は考えています。この気持ちを察して欲しいです。中華民国合気道推廣訓練協進会の会長は台北市の演武会には小林保雄師範には今後も来場、演武を懇願されました。協進会役員の方が大人です。合気道小林道場の皆さん来年も台湾に行き美味しい中華料理を食べ、演武会に参加し合気道を通して国際交流をしましょう。