2007年 10月 05日
東チモール合気道事情 |

ソン氏は昨年12月よりインドネシアから独立し現在まだ混乱が続いている国、東チモールに韓国から治安維持の為派遣されています。私が大韓合気道會講習会指導に行くと聞き、無理に休暇を取り韓国に帰国してくれました。そして通訳や色々の世話をしてくれました。ソン氏の通訳で私や日本から行った合気道の人々と大韓合気道會の人達との交流がスムーズに行き、お互いの理解と交流が一段と深まりました。本当に感謝しています。
ソン氏によると、彼が東チモールの警察に勤務しながら、民間人に合気道を教え始めまたそうです。そして今後は警察の合気道教官として指導すると誇らしげに語っていました。本当に心強いことだと思います。

日本のJICAに指導員の派遣を申請しましたが2年間何の返事も来なかったそうです。 ソン氏が大統領のボディーガードをしたときに、彼が合気道の有段者で有ることが知れ、合気道の指導を要請されました。色々調べてみるとエジプトの警察から派遣されている警察官がまだ初心者ですが合気道を習っていました。
それも合気道小林道場の傘下道場である八王子道場の館野4段に指導を受けたそうです。館野氏は、JICAのシニア海外ボランテアで、合気道を教えるために指導をエジブトに3年間派遣されていました。そうした関係で、エジプト人の彼は、私や五十嵐師範の事も知っていたそうです。世の中廣いようで狭いですね。あと、JICAに努めている日本人の初段もいましたので3人で体育館を借り無料で指導を始めたそうです。 皆で写っている写真を見て下さい。
写真でも分かるように女性の稽古人が半分近くを占めています。彼女らの大部分は家庭内暴力の被害者だそうです。合気道の稽古で内面的な自信を持ち明るく楽しく生活してくれればと思いソン氏等は合気道を指導していると言っていました。
昨年、東チモールではインドネシアからの独立を反対している一部の人達が動乱を起こしました。インドネシアの武術シラットの集団です。或る部落を焼き払いました。その為、武道に対する東チモールの一般の人は本当に悪いイメージを持つようになりました。武術はギャング団というイメージが広がっているそうです。
ソン氏が企画立案し、9月22日に現地の国立体育館で友好演武大会を計画しているそうです。武道が心身の鍛練、そして人格の向上に役にたち相手を尊敬し敬愛しなければ武道の修行は成り立たない事を少しでも東チモールの人達に理解して貰えばと考えているそうです。本当に立派な事だと私は感激しています。参加する武道は合気道、テコンドー、少林寺拳法そして空手だそうです。

合気道小林道場も何かの形で応援して行きたいと考えています。
写真で私が肩に掛けている布は東チモールの合気道会員が私の為に皆で編んでくれた布です。東チモールでは男性はこの布を公式の場では必ず肩に掛けるそうです。勿論大統領もです。
追伸
ソン氏から10月1日にメールがありまして、チモールでの友好武道演武会は何の事故も無く成功裏に終了したと報告が有りました。
他の武道と違い柔らかな円い捌きと自然な動きが観衆を感動させ、大会の模様はチモールのTVにも放映されたそうです。
植芝盛平翁先生が創られた合気道が人と人との争いを無くし、平和に役立つ事が実感できたと書いて有りました。
私は合気道が好きで善い武道だと思い、一人でも多くの人達に普及しようと合気道小林道場を開き日夜努力してきました。韓国の方ですがこの様に合気道を普及に協力してくれているのを知り心より感激しています。ソン氏が今後も合気道での活躍出来るように心から祈っています。
by shihan_aikido
| 2007-10-05 22:35