頑張れ学生合気道部 パート３

　大学の体育会のクラブには、野球のハンカチ王子や卓球の愛ちゃんなどもいて、時折マスコミの話題になっています。しかし「体育会」には、楽しく微笑ましい事ばかりではありません。昨年秋には、ある大学のラグビー部学生が合宿所で大麻を栽培し、数人が喫煙していたとのニュースが流れ大問題となりました。暮れには明治大学応援団部員が「いじめ」で自殺との報道も流され注目もされました。
　そして１月２６日の読売新聞の記事にラクビー部の大麻事件で部員１２名無期停学と８０年の歴史をもつ明大応援団部は廃部との報道がなされました。明大合気道部と応援団部とは長い間交流が有りました。新入生歓迎会、新幹部紹介コンパそして卒業生追い出しコンパなどお互いに出席し合いお互いが激励し合って来ましたので非常に残念です。
写真は合気道部創立５０周年祝賀会の時の応援団

　５３年前に明治大学体育会合気道部の創部に努力して以来、私は現在も監督をしています。応援団問題は明治大学体育会各部ばかりでなく明治大学自体にも大問題です。直ぐ学長出席のもとに各部長、各監督会議が召集されました。マスコミの報道の仕方によっては一人の学生の行動が単なるトラブルの粋を超えて、大学の存在意義、経営にまでインパクトを与えるのが時流になっています。学校より色々な注意事項が提案されましたが体育会４３部も有りますのでそれぞれの事情があり各部で解決するより方法が有りません。

　合気道部の場合にはハードトレイニングはあっても「いじめ」「しごき」の問題は皆無と自負しています。学校側からの通達で一番頭を悩ませたのは未成年者の飲酒厳禁の通達です。厳密にいえば部員の半分近くは未成年者です。新入生歓迎会、新幹部紹介コンパ、そして卒業生追い出しコンパなどでの飲酒禁止です。今までは大学に入学し合気道部員になれば年齢関係なく新入生歓迎コンパで「がんがん」酒を飲ませていました。酒を飲む「楽しさ」酒の「うまさ」もここで覚えたのです。飲酒禁止になれば現役で入学した２年部員を含めて部員の半数近く酒が飲めません。コンパの盛り上がりなど皆無になります。学生達のストレス解消ができなくなってしまいました。上級生、下級生の心の交流も意外に酒の席で生まれてきています。

　幹部部員が落ち込んだ下級生を飲み屋に連れて行き「おい先ず一杯の飲めや」「焼き鳥食いな」から説得が始まるのです。ドトールコヒーやマクドナルドに連れて行き「おいコーヒー飲めや、マック食いな」では幹部の立場や迫力皆無です。どうやって説得できるのでしょう。頭の痛い問題です。

　特に６月から自転車に対する道路交通法が改正になり、飲酒、携帯で話しながら、傘をさしての乗車は厳しくなります。コンパで夜遅くなった学ラン姿の未成年部員が酒に酔って自転車にでも乗っていれば警察官に呼び止められます。
学校に通知されれば部活停止にすぐ追い込まれます。
１月２６日が追い出しコンパです。泣く泣くこの日から未成年部員は飲酒禁止にしなければなりません。ＯＢ、ＯＧの理解を得るのも大変です。本当に大きく時代が変わりました。　
　
　最近は明治大学は体育課といわずにスポーツ振興グループといっています。これも変わりました。